5.発酵を抑制する塩の力

食物の腐敗を防ぐのに、乾燥、燻製、塩漬け、砂糖漬けなど、水分を取り除いて食物を保存します。塩は浸透圧のちからで食物に浸みこんで、野菜や魚肉の細胞から水分を抜いて腐敗菌などの微生物が生きられない環境をつくります。

腐敗と発酵について、19世紀にフランスのルイ・パスツールにより、酒、ワインなどの発酵は酵母菌の微生物の働きであることが発見され、塩を加えた食品が腐敗しないで長期間保存できるのは、塩自体に腐敗を防ぐちからがあるのではなく、塩の浸透圧によって細菌の細胞内の水分が脱水され、増殖に必要な水分が不足するために細菌が繁殖できなくなることが発見されました。

塩分12%以上の塩水に食物を浸けると、微生物の細胞の原形質が分離を起こして、雑菌の繁殖が抑えられ、食物の長期保存が可能になります。

塩分のなかでも繁殖できる耐塩菌、乳酸菌、酵母などの好塩菌と呼ばれる微生物が、濃い塩分の中でも生きられるのは、細胞内にカリウムなどを蓄積して細胞外の塩分濃度と同じ浸透圧を保っているからです。

腐敗菌は、10%以下の塩分濃度で発育が阻止されますが、酵母の中には、20%、カビでは25%くらいの塩分濃度でも繁殖する微生物がいます。

塩には、雑菌による腐敗を防ぎ、有用な耐塩性の酵母と乳酸菌のゆるやかな活動を支え、発酵熟成によって発酵食品に色と香りを醸し出す働きがあります。

発酵を調整する力のほかに、塩漬けした魚を天日に干して干物にすることで、魚のたんぱく質の自己分解を促し、生の魚では味わえない独特の香りと新たな魚のうま味をつくりだします。

平安時代の「延喜式」には、鰯や鮎、鮑などの内臓を塩漬けした塩辛が記されており、仏教的な戒律から肉類を食べることが忌み嫌われていた時代に小魚、カニ、エビ、イカ、鮎、魚卵などの塩辛を食べていたことがうかがえます。

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増田 幸右 について

1964-1968 武蔵野美術大学 グラフィックデザイン科卒業 1968-1994 広告代理店電通入社 クリエーティブ・ディレクター 2002-2004 立教大学大学院 修士課程 2003-2008 (株)GN21 経営コンサルタント 2007-2010 浦安図書館ボランティアBCU会員 2010-2014 企業ブランドアドバイザー 2006-2014 日本海水学会員
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