料理を美味しくする塩

1.塩の調味するちから

微妙な塩加減

イタリア人の料理の心得に、「オリーブ・オイルは気前のいい、大らかな性格の人間に、バルサミコ(酢)は用心深く、もったいなさそうに使う“しぶちん”にまかせなさい。しかし、塩だけは“賢い人間”に使わせなさい」という言い伝えがあります。これは一瞬の塩加減で料理の味を引き立てる、微妙な塩加減のむずかしさをいったものです。

徳川家康が駿府に隠棲したときのこと、京都の御所に仕えていたことのある側室の梶女に家康が「この世で一番うまいものはなんであろうか?」と尋ねると、梶女は「それは塩でございましょう。山海の珍味も、塩の味付け次第です」という答がかえってきました。「しからば、一番おいしいものは?」と重ねて問うと「それは塩でござりましょう。いかほど旨いものでもお塩が過ぎると真の味を失い、食べるに堪えられなくなります」と答えたといわれます。料理は、塩加減次第で旨くも不味くもなるという、塩加減の妙を言い表している逸話です。

塩味は、温度が高いと弱く感じられ、冷えると濃く感じます。その日の気温や体調によっても、微妙な塩加減が味覚に影響します。板前は、店に入ってきた客がゴルフ帰りで汗をかいていると直感すると、少し料理の味を濃くするといいます。

板前は、仕上がりの塩分濃度を経験と勘で判断し、調味料の分量を微妙に調整します。板前の絶妙な塩加減を科学的に分析してみると、美味しいと感じる塩分濃度は0.9%で、1.1%では濃く、0.7%では水っぽく感じられるといわれています。

料理のレシピに塩何グラムとか、小さじ一杯とか示されていますが、ほとんどの主婦の塩加減は、マニアルどおりではなく、その時の状況、素材の鮮度、気候、季節などの状況を瞬時に判断して味付けをするのが普通です。ちょうど良い塩加減は直観で決められます。料理を美味しくする塩加減の感覚は、まさにアートだといえます。

 

□塩の目分量

お塩少々とは、親指と人差し指、中指の三本の指でつまんだ量をいます。(約0.6g)

小さじ一杯は約6グラム(食塩)、大匙一杯が約15グラム、塩一握りは約25グラム。

 

ひとの味覚センサー

ひとは視覚、嗅覚、触覚、温度感や食事の際の雰囲気などの様々な感覚が統合され、料理を美味しいと感じます。

美味しいと感じる味覚は、ひとの身体が必要とする栄養素を識別するように作られており、身体を維持するのに必要なたんぱく質やカロリーとなる脂肪分が美味しいと感じるのは、身体がエネルギー源を求めているからだといわれています。

舌の表面には乳頭という細かな突起があり、乳頭にある味蕾で味を感知します。舌で感じる味は、甘味・塩味・酸味、苦味・旨味の五つの基本味で、味細胞が刺激を受け、電気信号に変換、神経を通して脳に伝達されて、はじめて味を感じます。

美味しい料理は、舌で受けた味覚情報による自律神経の興奮が、ノルアドレナリンを分泌させてエネルギーの代謝を亢進させます。美味しいものを食べたあとには、体温が上昇することが認められています。美味しいものへの欲求は、生存のための生理的な現象だといえます。

塩のミネラルはエネルギー源ではないのですが、味覚神経の伝達に作用するのにほかに代替するものがない、重要な栄養素です。塩味、酸味は細胞膜のイオンチャネルを通して知覚され、甘味、苦み、旨味は知覚レセプターによって脳に知覚されます。舌には味蕾が一万個あるといわれ、いろんな味を均一に知覚するのではなく、場所によって違っています。

塩味と酸味は、おもに舌の周辺近くで感じ、味細胞の細胞膜に直接作用します。甘

味は舌先、酸味は舌の周辺、苦味と旨味は、舌の根で感受します。

塩味(鹹味)はミネラルのシグナルで、塩化ナトリウムは塩素イオンとナトリウムイオンの両方が分れて、はじめて塩味を知覚できます。粒の細かな塩はとてもしょっぱく感じられ、大粒の塩が塩辛く感じないのは、味蕾の知覚レセプターに触れる塩の粒の数によって違ってくるからです。

甘味はエネルギー源である糖のシグナルで美味しい味として感知され、酸味は腐敗物のシグナル、苦味は有害な食物を予知するシグナルです。

植物の中には強い苦味を持つ猛毒を含んでいる植物もあり、野生動物にとって、毒のあるものや腐敗したものを見分ける味覚センサーが狂うと死につながります。

甘味やうま味に反応する味覚の受容体は一種類ですが、苦味を感じる受容体は、

20種類以上あるといわれ、これによって苦味はわずかな濃度でも敏感に察知され、いのちを守る敏感な知覚センサーとなっていますが、大人になるとコーヒーの苦さやサンマや鮎の腸などの苦みを美味しいと感じる嗜好があり、苦味の感受性は、単に毒を見分けるだけでなく、美味しさを味わうのに大切な役割を担っています。

ひとも味覚、嗅覚、視覚,触覚などの五感を働かせて身体に害をおよぼす嫌な臭いを嗅ぎ分け、有害な食物をはきだし、アレルギー反応や頭痛などの症状がでてくるように、ひとの身体は味覚に過敏に反応する自己防衛の仕組みが備わっています。

身体に有害な食物を一刻も早く察知し、身体が求めている食物を選択する、味を感知することのできる濃度は、塩味では0.2%、甘味(ショ糖)で0.5%、酸味0.0012%、苦味(キニーネ)で0.00005%、旨味(グルタミン酸ナトいます)0.03%で味覚され、嫌な味の酸味や苦味はごく低濃度でも味覚されるようにできています。味覚はいのちを守るセンサーの役目を果たしています。

 

味覚のバランスをとる塩

スイカを食べるとき、お汁粉をつくるとき、ひとつまみの塩を加えると甘味が強く感じられることはよく知られています。最初に塩味の信号が脳に達し、次に甘味が知覚されるので甘味が増強されて感じるからです。

 このように甘い、辛いという二つの味が合わさったとき、片方の味が他方の味を強めるように変える現象を「対比効果」といいます。ふたつの味を混ぜる料理では、それぞれの味の強さが同じときに、調和のとれた味になりますが、一方の調味料だけを増減したのではバランスをくずした味になります。

 塩が素材の味を引き立てる働きが端的に表れるのがだしです。鰹や昆布のだしだけでは旨味が弱いのに、塩を少々加えるだけでぐんと美味しくなります。海老やカニの美味しさも塩を加えないとうま味がでて来ないのも塩の対比効果です。

一方、塩には、酸っぱいとか辛いとか、味覚を刺激するふたつの味があるときに、酸味や苦みを抑えてまろやかにする抑制効果があります。ふたつの味を混ぜたときに両方の味が弱められる現象を「相殺効果」といいます。寿司酢に少し塩を入れた寿司めしは、酢の酸味が抑えられて柔らかな酸味とうま味が感じられます。

 塩味と酸味のバランスの取れた味は美味しさをつくります。塩を少し入れるとぐんと味がしまることを“酢が効く”というように、締めサバやなれ鮓が塩辛さを感じないのは、酢が塩辛さをまろやかにし、塩によって酸っぱさを抑えて、コクのある味にするからです。漬物は塩や野菜の保存のために生まれましたが、乳酸菌発酵による酸味で塩味と酸味が程よく合わさって美味しさが生まれます。

いかの塩辛には30%近くの塩分、味噌醤油には17%の塩分が含まれていますが、

うま味を感じられるのは、発酵した旨味が塩辛さを抑えるからです。

梅干しに塩を使うのも、梅の水分を脱水するだけではなく、梅酢に塩を加えることにより、梅の酸っぱさが抑えられ、ほどよい美味しさになります。「塩梅がよい」ということばは、この現像に由来しています。

料理の最後の味見に、昆布や鰹だしのうま味がものたりない、酢の味がきつかったりしたときに、塩を少々足すと味がきまり、まろやかな味になります。そんな塩の使い方を「隠し塩」、「隠し味」とよび、料理の黒子の役を担う、貴重な存在です。

ある有名な懐石料理の主人は、つねに酒に塩を溶いた酒塩の小皿を手に持ち、客が味にものたりないと察知すると、酒塩を足す気配りをしていたといいます。                      

 

麻(マー)・辛(ラー)の味

辛味は痛みなどの感覚を伝える三叉神経に存在しています。美味しい料理に辛味が結び付くと、脳で美味しさを感じる脳内物質が分泌され、その全体が美味しく感じられるのです。辛味の代表的な調味料は唐辛子ですが、その主成分は油に溶けているカプサイシンで、交感神経を刺激して発汗させます。

東洋医学では、「辛味は気を高ぶらせ、血の巡りを良くする」といわれ、外敵から身を守るために緊張をうながすホルモンによって、脂肪を燃焼、分解し、身体を温めます。

四川料理や朝鮮料理に唐辛子が使われるのは、厳しい暑さや寒さの自然環境から生まれた、身体が生理的に求めた味覚です。

四川省の夏は盆地特有の高温多湿の酷暑となります。わが国にも馴染み深い麻婆豆腐や坦坦麺もここ四川生まれで、四川料理のしびれる辛さは、酷暑の季節に食欲を刺激し、汗で消耗する塩分を補充する働きがあります。

四川の坦坦麺には汁がなく、挽肉と唐辛子の紅油に麺をからめて食べます。はじめの口当たりは甘く、次第に辛さが口いっぱいに広がる「麻・辛」の味の世界です。

この四川料理では調味料の主役は塩です。塩炒め、味噌漬、塩漬魚、煮込み、塩の水煮など、じつに多彩な塩の料理法があります。

とくに、四川の家庭料理に欠かせないのが泡菜で、季節の野菜を塩水と白酒、赤砂糖、干した唐辛子などで漬けた一夜漬、古漬けと多彩な漬物があり、そのまま食べるほかに挽肉の炒め物に使います。四川の人々が、料理に岩塩しか使わないわけは、海塩はにがりのマグネシュウムが強く、その風味が嫌われているようです。

味覚はその地の気候に合った豊富な食材と地元の塩が加わって、“天府の国の百菜百味”と称される四川の食文化が醸成されてきました。

 

塩は味覚の幅が狭い

塩の味覚の幅は極端に狭いので、一瞬の塩加減ひとつで料理が美味しくなるかどうかが決まります。「旨いまずいは塩加減」といわれる所以です。

食塩を水に溶かして塩味を識別できる最低濃度を塩味の閾値(threshold value)といいます。一定の条件で多数の人が味わったときに半数の人が塩からいと感覚的に違いを感ずる最小の刺激の数値です。

食塩を水に溶かして塩味の幅を調査する「官能テスト」では、多くの人が塩味を感

ずる濃度は約0.3%以上で、これを薄めてゆくと甘く感じられ、しだいに水と区別がつかなくなります。塩味を美味しいと感じる塩分濃度は、普通は0.8~0.9%くらいの濃度といわれ、それよりもわずか0.2%少ない0.6%以下では薄く感じられます。

純度の高いイオン膜の塩をつかって味付けする場合、辛さの許容度の幅(閾値)が非常に狭いので、使う量をきちんと決めないと、尖った味になってしまいます。

その点で、自然海塩は味付けの許容範囲が広いので、微妙な味付けができます。

京料理の老舗「菊の井」の村田吉弘氏が著した料理の本に、京料理の淡味について、“残心の料理がよし” という一節があります。若い板前修業のときに先輩から、料理は食べているそのときに、旨すぎるのはよくない。三日くらい後に「ああ、あれは旨かった」と思い出させるような料理が理想の味付けであるという、残心の料理の心得をよく聞かされたと語っています。これまで、素材の旨みを引き出すのに塩を使うのがよいと思っていたが、もう少し塩を入れたらおいしくなるけどなと思った手前で手をとめるのが、残心を起こさせるための薄味だと語っています。

 料理人には淡味の表現が塩使いの究極の技だという意味が込められています。

 

□塩の閾値

0.05%    無味

0.1~0.2%  微かな甘み

0.3%~0.4% 弱い塩味

0.5%~1.0% 明瞭な塩味

1%以上    強い塩味

20%以上   苦味のある塩辛さ

 

 

2.うま味をつくる塩

うま味の発見

古来、中国では、鹹(塩味)、甘、酸、苦、辛の五つ味が基本味とされ、仏教では塩味、甘味、酸味、苦味,渋味、辛味の六つの味に分けています。古代の中国人は美味しさを表現するのに、魚と羊を並べて「鮮」という文字がつくられています。

西洋では古代ギリシャのアリストテレスが、食物の味覚を塩味、甘味、酸味、厳しい味、鋭い味、荒れた味の七つの味に分類をしたといわれます。

1916年、ドイツ人ヘニングが塩味、甘味・酸味、苦味を味の四原味を提唱し、世界の定説となっていました。ヘニング以来、塩味は体液のバランスを調節するミネラル、甘味はエネルギー源、酸味と苦みが体に有害な食物を選別する味覚のセンサーとされてきましたが、四つの基本味ではつくれない五番目の基本味である「うま味」の存在を日本人が発見しました。

東京帝国大学の池田菊苗教授が、湯豆腐の美味しさは鍋に敷かれた昆布にあると直感し、昆布のうま味を研究した結果、明治41年(1908)昆布に含まれるアミノ酸の「グルタミン酸」がうま味物質であることをつきとめます。その後、グルタミン酸にナトリウムを結合して中和し、グルタミン酸ナトリウムを主成分にした調味料「味の素」を開発しました。日本独自のうま味の発見は、1985年にハワイで開催されたの「第一回国際シンポジウム」で五番目の基本味として「UMAMI」が認められ、料理の世界において共通語になり、特許庁はこの特許を日本の十大発明のひとつとしています。

1913年、小玉新太郎は鰹節のだしのうま味が核酸系のイノシン酸であることを発見。さらに、1960年にヤマサ醤油の國中明が椎茸に含まれるうま味物質がグアニル酸であることをつきとめました。このように20世紀になってタンパク質や核酸を豊富に含む細胞の原形質にうま味が含まれ、それを感知する味覚がうま味であることが、日本人の手によって発見されたのは、昆布や鰹節などの海産物の乾物をつかった「だし」の和食文化があったからです。

たんぱく質は20種類のアミノ酸でできていますが、それ自体には味が弱く、塩味によって、はじめてうま味の輪郭がはっきりと感知され、美味しいと感じることができます。うま味の味覚センサーは、生命の維持に欠かせないたんぱく質のシグナルであり、素材の味の複雑さ、コクなど、いろいろなアミノ酸の相乗効果でうま味を感知します。              

いまや、世界中のシェフがうま味に注目、国際的な味覚になっています。                      ↑新聞広告 味の素の初期の広告

 

美味しい塩のミネラルバランス

 塩味は、塩化ナトリウムを基本に、その他の塩類である塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウムなどのミネラルバランスで味覚の違いがあります。

塩のミネラルの組成の違いが、塩の個性をつくり、料理・調理の用途にふさわしい塩をつくります。たとえば、にがりに含まれる塩化マグネシウムには強い苦味がありますが、塩化ナトリウムが加わることによって、塩の苦味が薄れます。

さらに無味の硫酸カルシウムが加わると、苦味が取れて甘い後味になります。苦い硫酸マグネシウムと甘さのあるカルシウムが加わることによって、塩味に深みとコクが出てミネラルの相乗効果によって美味しい塩になります。ミネラルの組み合わせによる、それぞれの対比効果でひとつのミネラルだけではつくりだせない味が出来上がります。

釜焚きの海水塩は、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどの苦汁が結晶表面に付着しているために、高純度の塩に比べてはじめは微かに塩辛く感じますが、後味にほのかな甘みがあります。

真空蒸発釜でつくられる塩の純度は製塩技術の向上で年々高くなってきており、塩化ナトリウムの純度が異常に高いイオン塩は、キレのある酸味の塩化カリウムのほかミネラルがほとんどないため、ピリッとした塩角の強い塩になっています。

世界的にミネラルの味は金属味とされ、塩の平均純度は97%前後の乾燥塩が主流ですが、わが国の伝統的な自然海塩は、ニガリを含んだしっとりした塩水塩で海水ミネラルがバランスよく含まれ、むかしから上質な食塩である真塩の純度は、塩化ナトリウム85%プラスマイナス5%だといわれています。

薪でじっくり焚かれた平釜の塩は、海水ミネラルのバランスを求めた塩職人の勘と技術の伝承からうまれた塩味が日本料理の繊細な味を支えてきたのです。

 

□塩のミネラル成分を基準にした五つの塩味 *日本食用塩研究会の分類法参照

かん味塩…塩化ナトリウムの純度が99%以上ときわめて高く、ほかの塩類をほとんど含まれていない塩であり、直線的な塩角の強い塩味を呈します。その代表がイオン交換膜と多重蒸発釜(立釜)で製塩された食塩です。

苦味塩….相対的に硫酸マグシウムと塩化マグネシウムの多い塩。にがり成分に硫酸マグネシウムが多いと辛味や苦味を強く感じます。これは天日海塩、昔の差塩のように、精製されていない海塩に多く含まれています。

甘味塩….甘味を感じる硫酸カルシウムの多い塩で、塩辛さのなかにもまろやかな甘味が感じられる塩味です。にがりの塩化マグネシウムが少ないと後味が甘く感じられます。

酸味塩….塩化カリウムの多い塩で、塩辛さとともに舌にしみる酸味を感じます。減塩のために塩化ナトリウムを減らしたカリウム塩が代表的な酸味塩です。また、イオン交換膜製塩のにがりにはカリウムが0.3%含まれています。

美味塩….塩化ナトリウムの純度があまり高くなく、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどの塩類がバランスよく含まれており、まろやかで甘味のある美味しい塩です。

 

 

日本料理の美味しさ・滋味

江戸時代の料理書『本朝食鑑』に「およそ食に形あり、色あり、気あり、味わいあり」と書かれています。日本料理は、旬の食材の組み合わせを大切にしており、視覚的に美しい盛り付け、料理人の気配り、食べごろの温度や会話など、美味しい料理を楽しむ「和」の世界があります。

茶懐石では、出された器をまず鑑賞し、料理がみんなに配られるまで待つとちょうどよい温度になっているように、料理を出すタイミングが配慮されています。味はもちろん、舌触りの触覚、柚子や山椒の匂いなど嗅覚、盛り付けの美しさ、温度などが織りなす風味を味わうことができます。

懐石料理の名店「辻留」の故、辻嘉一は、懐石料理の味覚を彩るのは、辛、酸、鹹、苦、甘の五味の料理の食材をあげています。

 辛…からし、とうがらし、わさびなど・ぴりっと辛い味。

 酸…酢、レモン、すだち、だいだいなどのすっぱい味。

 鹹…塩、醤油、味噌、塩辛などの塩からい味。

 苦味…蕗のとう、鮎もはらわた、わらびや山うどなどのアクのある食材。

 甘味…砂糖、味醂などの甘味と、材料そのもののもっている甘味。

以上の五味を引き立たせる塩について「懐石料理は旬の食材の甘味を大切にします。五つの味を決める中心は塩であり、料理をつくる上でもっとも大切なのが塩です。塩は食材の持っている味を引き出してくれます。塩のつかい方が料理のポイントになります」と述べています。

「おいしい」を漢字では、「美味しい」、または「滋味しい」と当て字がつかわれます。美味しいは、「うま味」と似て、油や糖分、塩分の効いた美味しい料理を想いうかべ

ますが、滋味しいは、豊かな深い味わいのニュアンスをもっています。

滋味とは、けばけばしさや華やかな美味をさすのではなく、こころを落ちつけ、しみじみと味わうほんとうの美味です。それは茶道の「淡交の精神」といわれ、相手を引き立てるように、食材の味を活かす淡味を意味しています。

その代表的なものが、鰹、昆布、シイタケのだし汁で、一つまみの塩を足すとはじめてだしのうま味が活きてきます。究極の淡味は懐石料理の「箸洗」といわれる素湯に近い薄味の吸い物です。懐石の一汁三菜が終わり、一期一会の心をこめた盃事の前に、お湯に昆布を箸でつまんで入れ、塩や梅干しで塩加減された淡い味の吸い物で、一汁三菜のうま味を引き立てる“味の演出”ともいえる、日本人の料理を楽しむ食文化がいきづいています。

 

和食をつくる「だし」の文化

和食の基本味の「だし」は、鰹節、昆布、干し椎茸など、すべて乾燥した食材からつ

くられ、肉や野菜、魚介類に含まれるたんぱく質のアミノ酸が凝縮された旨味です。

昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、貝類のコハク酸、干し椎茸のグァニル酸などのうま味成分に塩、醤油が加わると、はじめて和食の美味しさを味覚できます。

グルタミン酸とイノシン酸は、舌の旨みの受容体への結合を互いに強め合う作用があり、この二つが同時に加わると、うま味は数倍に変化してきます。

和食では、昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸の美味しさの仕組みを活用して、鯛やキスの白身魚の昆布締め、京料理の筍とわかめ、大豆と昆布など、いろんな料理がうみだされています。昔、江戸前のハゼを白焼して干し、昆布巻にしたり、正月のお雑煮のだしに使われたのも、ふたつのうま味の組み合わせです。

東南アジアでは、ニョクマム、ナンプラー、ヨーロッパには、トマトスープのガスパーチョがあり、トマトに含まれるアミノ酸の一種のグルタミン酸の旨みを活かしています。

フランス料理では、仔牛のだし「フォン・ド・ボー」、鶏ガラのだし「フォン・ド・ボラィユ」、鴨の骨のだし「フォン・ド・キャナール」が有名なだしです。

わが国で、だしの料理文化がもっとも進んでいるのは沖縄料理です。沖縄の昆布と鰹節の消費量が日本一で、ひとり当たりの塩の消費量は全国で一番少ないのです。

沖縄の伝統料理は、ゴーヤや豆腐、豚肉、野菜などを混ぜて炒める料理、チャンプルーや塩汁で煮た魚のマース煮、昆布や切干大根を炒めたイリチーなど、昆布と鰹節のだしと塩味をベースにしたうま味を創りだしています。

19世紀、琉球を支配していた薩摩藩は中国との交易品である昆布の輸出基地として那覇に「昆布座」を設け、朝貢船による昆布の交易で莫大な利益を得ていました。      ↑ブタの塩漬け すーちかー 「青い海」リーフレット

輸出用の昆布は当初、琉球人にとって貴族階級のものでしたが、しだいに庶民にまで普及し、長期保存ができる昆布は、中国の帰化人がもたらした豚肉と相性が良く、豚肉のイノシン酸と昆布のグルタミン酸のうま味が一緒になると、うま味が六倍から七倍にも高まるといわれ、細切の豚肉の炒め煮、豚足に昆布の焚き合わせなど、豚肉と昆布だしから沖縄独特のうま味とコクのある郷土料理がうまれています。

この美味しさを沖縄では、“アジクーター”という含蓄のある言葉で表現し、単に美味しいというだけではなく、なんとも言い表せない味わいのことで、そこに沖縄の食文化のエッセンスがあるような気がします。

 

 

塩味のハーモニーを楽しむ

わが国では、四季おりおりの豊富な旬の食材に恵まれています。塩は食材のうま味を引き出す働きがあり、味のハーモニーをつくります。塩味と甘味の組み合わせ、苦味に塩味をくわえた大人の味など、塩味を楽しむ食の世界広がります。

最もシンプルな和食の味は、「ご飯に振り塩」です。お米の淡い甘味と、それを引き立てる塩味が原点になっています。その象徴的な食べ物が塩結びのおにぎりです。

わが国には古くから、食事の際にめいめいの食膳に小さな皿に塩を盛った「手塩」の伝統があります。平安時代の食卓には、手塩皿が置かれ、各々好みの塩味で食べており、室町時代には、赤飯に炒め塩や黒胡麻塩をふりかける食習慣があったといわれています。焼塩は現代のふりかけのルーツといわれています。

香りや彩りをそえるご飯のふりかけには、焼塩に山椒や紫蘇、柚子、胡椒などを加えた香味塩があります。「合わせ塩」ともよばれ、天ぷら、魚料理、豆腐などに振りかけて、日本料理の旨さと風味を醸し出します。

ふりかけの焼塩は、すでに奈良・平安時代に都に送られる貢納塩としてつかわれ、一般家庭でも、素焼きの平釜「焙烙」で炒り塩をつくり、胡麻を混ぜたふりかけがつくられ、手塩皿に盛られて食卓におかれていました。

 今日、家庭で抹茶や胡麻、山椒、カレー粉などの合わせ塩を作るには、フライパンになどを使って空炒りした塩をすり鉢で細かくし、一対一の配合で仕上げられます。                   ↑写真 「青い海」香味塩リーフレット掲載

近頃、寿司屋に行くと、平目や鯛などの白身魚の寿司を食べるときに板前から、醤油の代わりに塩を奨められることがありますが、魚の味が引き立ち新鮮な味覚を楽しめます。また、天ぷらの店では藻塩がついてくることもあります。合わせ塩やハーブ、胡椒の香味塩などにつけて食べると、これまでの付け汁とはちがった風味があり、いまや付け塩は立派な調味料の一角を占めています。

近頃、スーパーでも塩味が加わったアイスクリーム、塩バニラ、塩チョコレート、塩キャラメルなど、塩味のスイートが若者の人気を呼んでいます。塩がほどよくクリームの味を引きしめ、さっぱりとした甘さが口に広がります。塩チョコは、ほろ苦さと甘さの後にくる絶妙な塩気が新鮮な味覚を創りだしています。塩味のハーモニーを楽しむスイート商品は、新たな塩の価値の新発見です。

 

3.調理するちから

食物を保存するちから

料理は、はじめに食材を選択し、加工し、煮る、焼く、茹でるという「調理」のプロセスと、好みの味付けをする「調味」、そして必要な栄養を摂取する「調身」の三つが統合されたものです。つまり、料理とは、調理・調味・調身のプロセスを通して美味しい食事をつくる、食材のデザインです。

調理の発祥は、食物を保存する塩のちからの利用に始まっています。塩の腐敗を防ぐ脱水力、浸透力と細菌や微生物をおさえる殺菌力などの塩の物理的、化学的なちからを活用して食材を加工し、美味しい料理がつくられます。

ひとが調理を覚えたのは、石器時代に火を使い、狩猟した動物を火で焼いて食することを覚えたのが、その始まりだといわれています。『塩と民族』の著者、時雨音羽は、「古代人は食物を生のままで採って食べていたが、ふとしたことから火で加熱すると食物に著しく好影響することを知り、そこからさらに塩の発見に進んだのであろう」と述べています。 

農耕と牧畜の定住生活がはじまった8千年から6千年前、土器で食物の煮炊きが行われたころ、塩は味付けの調味料として使われるようになります。

食物の腐敗を防ぐのに、乾燥、燻製、塩漬け、砂糖漬けなど、水分を取り除いて食物を保存します。食物が腐る原因は、食品そのものに含まれている酵素によるもの、もうひとつは微生物の繁殖による腐敗です。塩が食物に浸みこむ浸透圧のちからで、野菜や魚肉の細胞から水分を抜いて腐敗菌などの微生物が生きられない環境をつくります。塩分12%以上の塩水に食物を浸けると、微生物の細胞の原形質が分離を起こして、雑菌の繁殖が抑えられ、食物の長期保存が可能になります。

野菜や魚の水分をとりだし、乳酸菌などの微生物の繁殖を調節し発酵させて食物の保存をする塩のちからは、味噌醤油、漬物など、塩が介在した多彩な塩蔵食品をつくる原動力になっています。

塩の脱水・浸透力は、調理のさまざまな場面で使われています。「青菜に塩」といわれるように野菜に塩を振っておくと浸透力が働いてしんなりしてきます。このちからはきゅうりの塩もみ、白菜の浅漬けの調理に活かされます。また塩もみすることで、調味料がよく浸透し、歯触りのよい食感がえられるようになります。

新鮮なアジやイワシなど魚の干物をつくるときに3%程の塩水に魚を漬けると生臭さがとれ、浸透圧で水分が抜けて早く干しあがります。

 数の子、塩漬魚、古漬けなど、そのままでは塩辛くて食えないものは塩分濃度を一定にする塩の作用を利用して塩抜きします。浸透圧の関係で細胞内の塩の濃度が高いために、水が細胞内に入り込むことはあっても、塩分は抜けないので、こうしたときには、それらの塩分より濃い塩水に浸しおくと塩分を抜くことができます。

 

タンパク質を変性するちから

 塩はたんぱくを溶解するちからがあります。パンやうどん、ギョウザの生地を作るとき

に、1%から3%の塩水を混ぜてよく練ると、小麦粉のたんぱく質の粘性が増してふっくらとした生地ができます。小麦粉に含まれるタンパク質の繊維がからみあって、グルテンの形成を促して、粘り強い柔らかな生地になるからです。

調理において塩のたんぱく質の溶解を利用する代表的なものは魚料理です。

魚肉の練り物をつくるのに塩を加えると、なめらかで弾力のあるすり身に仕上り、加

熱すると歯ごたえのある蒲鉾やさつま揚げができあがります。

練り物に使う塩は、塩化ナトリウムの純度の高い塩を使うと塩角のある味になるため、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄など、海水ミネラルを含んだ海水塩を使って淡い味に仕上げます。このため、蒲鉾業界は塩の自由化が始まると、他の食品業界に先駆けて蒲鉾にもっとも合う塩の共同開発に力を入れました。

塩はタンパク質を溶解するちからとは相反するタンパク質を凝固させる作用があります。肉や魚、卵などは加熱するとタンパク質が熱で凝固して固くなります。また塩分濃度が高いと常温でもたんぱく質の凝固が起こります。

ステーキは焼く直前に塩こしょうします。塩を振ってしばらくおくと、浸透圧の作用で、肉のうま味が出てしまうので、直前に振り塩をして焼くとタンパク質が熱で凝固を早め、肉のうま味が流れでるのを防ぎます。

煮魚の場合は、沸騰してきてから入れます。こうすることによって魚の表面のタンパク質が変性して、魚の煮くずれを防ぐ効果があり臭みもとれ、美味しく食べられます。

魚肉の筋原繊維を構成しているタンパク質が加熱により歯ごたえのあるゲルになるからです。同じように、だしをとるときに、最初から塩を加えるとうま味成分がでてこなくなりますから。火を止めたらすぐに、ひとつまみの塩を加えて漉すと、だしガラにうま味成分が吸着するのを防ぐことができます。       

 *蒲鉾写真 「小田原籠清」謹製

 

野菜・果物の変色を防ぐちから

りんごや桃の皮をむいて切ったときに、しばらくすると褐色に変色してきます。これはりんごの中にふくまれているポリフェノール酵素が空気の酸素で活性化し、タンニン系の物質に作用して酸化するからです。生の食品には酸化酵素が含まれているので、塩にはこの酸化酵素の働きを阻止するちからがあります。これを防ぐには、皮をむいたリンゴをひとつまみの塩水に浸すと酵素の活性が抑えられて変色を防ぐことができます。

わずか0.3%程の塩水に浸すだけで、変色を抑える同時にビタミンCが酸化されな

いで保護されます。同じようにフライドポテトを作るときにも、スライスしたじゃがいもを塩水にしばらく浸しておくと、酸化を防止することができます。

青菜を茹でるときには湯に2%ほどのひとつまみの塩をくわえると鮮やかな緑色になって見映えよく仕上がります。青菜の色素クロロフィルが加熱により塩のナトリウムと結合して緑色が維持されるからです。これを「色止め」「色出し」と呼んでいます。このほか、塩のたんぱく質を変容させるちからには、カリフラワーやジャガイモ、里芋などを茹でるときに塩を入れると、野菜の固い細胞膜のカルシウムやマグネシウムがナトリウムと置き換わり、野菜が柔らかくする働きがあります。(海水ミネラルの置換作用)湯豆腐に塩を入れると、タンパク質を固めるにがり成分と置き換わって豆腐が固くなるのを防いで柔らかさを保ちます。

 

発酵を調節する塩のちから

塩と麹による発酵は、パン、ソーセージ、チーズ、酒、漬物、味噌醤油、魚醤など、数多くの発酵食品や調味料が生まれた源泉になっています。

腐敗と発酵について、19世紀、仏のルイ・パスツールにより、酒、ワインなどの発酵は酵母菌の微生物の働きであることが発見されました。塩を加えた食品が腐敗しないで長期間保存できるのは、塩自体に腐敗を防ぐちからがあるのではなく、塩の浸透圧によって細菌の細胞内の水分が脱水され、増殖に必要な水分が不足するために細菌が繁殖できなくなるからです。

濃い塩分のなかでも繁殖できる耐塩菌、好塩菌と呼ばれる微生物がいます。

塩には、発酵に不都合な腐敗菌の増殖を抑えながら、有用なカビや酵母、乳酸菌を繁殖させる、発酵の環境をつくる働きがあります。

塩分のなかでも好塩菌が生きられるのは、細胞内にカリウムなどを蓄積、細胞外の塩分濃度と同じ浸透圧を保っているからです。一般の腐敗菌は、10%以下の塩分濃度で発育が阻止されますが、酵母の中には、20%、カビでは25%くらいの濃度にも耐えるものがあります。それぞれの食材には繁殖する微生物が異なり、塩分濃度の違い、気候や水質によって、微生物の繁殖の速度や働き方に微妙な違いがあります。

 塩田でつくる天日塩には微生物が育つのに必要な栄養があり温度も高いので、好塩菌が繁殖するのに適した環境にありますが、ときには塩田が好塩性の微生物で赤色に染まることがあり、収穫後に洗浄して白い塩にします。

好塩性の微生物は通常、人体に害を及ぼすことはありませんが、注意することは、貯蔵中に汚染された天日塩によって塩漬魚が変色したり、魚の干物がピンク色に腐敗することがあります。その点で加熱殺菌された塩を使えば、その心配はなく、わが国の伝統の釜焚きの自然海塩は安心して塩蔵食品に使うことができます。

 

発酵がつくる伝統食品

わが国には、鰯や鰰の塩漬汁、秋田のショッツル、能登の烏賊のイシルなどの魚醤が伝承されています。魚醤の発祥は、腐りやすい魚を保存するために作られた塩辛が、時間をかけて液状になったもので、調味料として料理を彩っています。

魚の獲れない山村では鮎の魚醤や蟹の塩辛など、地域の風土にふさわしい調味料がつくられ、料理の味付けに使われ、その地方独自の郷土料理を彩っています。

魚醤は本来、魚の保存のために米麹と塩でつくられた発酵調味料でしたが、奈良朝のころ、琵琶湖の鮒鮓のように魚の腹に塩と飯を詰めて漬けた、乳酸菌発酵した「なれ鮓」が登場します。飯は発酵により液状になるため実際に食べるのは魚だけで、有機酸が独特な風味を醸しだす発酵食品なります。

魚肉の保存法であったなれ鮓が、しだいに自然発酵の熟成を待たずに麹の塩漬魚と酢めしの両方を食べる食品に発展し、酢飯で魚を食べるいまの握り寿司の由来となっています。塩鯖、塩鰤をはじめとする魚の味噌漬け、粕漬けなど、塩が介在した発酵食品が伝統の地方の味をつくり、独自の塩蔵文化を生みだしています。今でも北陸地方では、正月料理の一品として「かぶら寿し」がつくられています。

かぶら寿しは、かぶの塩漬けに冬場に獲れる脂がのった鰤を挟んだものを糀で漬け込んだ発酵食品で、鮒鮓ほど独特の強い匂いはなく、さっぱりとした鰤の塩味と糀とかぶの香りがする上品な郷土料理に仕上がっています。

自然界に生きるカビや酵母菌などの微生物を巧みに使い、発酵食品をつくるわが国の塩蔵技術は、先人たちの知恵の遺産だといえます。                             ↑かぶら寿司 石川県杉野屋謹製

 

和食を彩る漬物

漬物は日本人の一汁三菜の和食に欠かせないものです。二千年前の弥生時代に、収穫物を保存するために塩漬けしたものを醤(ひしお)とよび、茄子、青菜、蕪、大根などの野菜を塩づけした「草醤」が漬物の原点となっています。

塩のちからは、高い浸透圧により野菜の水分を減らし、水分活性を下げることによって微生物の増殖を抑制、腐敗を防ぐ効果を発揮します。

このような塩の浸透圧・脱水作用によって、細胞内に含まれていた糖質、タンパク質が分解されたアミノ酸の培養液となって微生物が生育されます。

そして乳酸菌や酵母によって培養液の成分が発酵し、うま味が野菜に浸透し、特有の漬物の風味がでます。これが“漬かった”といわれる状態です。

また、塩の中でも生きられる好塩菌や乳酸菌や酵母などの微生物の発酵を調整する働きがあります。従って塩分濃度2、3%の減塩した漬物は防腐効果がほとんどありません。一般的に濃度5%以上で微生物の繁殖は抑えられますが、長期に保存するためには、味噌醤油のように17%以上にしないと微生物の繁殖を抑えることができないといわれています。

とくに夏季の温度が30℃内外のとき、食塩濃度5%では腐敗菌が盛んに生育しますが、20%の食塩濃度となれば、ほとんど微生物の活動は見られなくなり、塩が多いほど防腐力は強く、長期間貯蔵できるようになります。

ただし、同じ食塩濃度でも乳酸菌や酵母が共存すると、いっそう防腐効果が高まり、乳酸による酸味が強くなって長期の保存が可能になります。

塩をした漬物の上から石などで重しをかけるのは、腐らないうちに早く水分を外に

出してしまう効果があるからです

漬物には、脱水されることによって食物繊維が、生野菜に較べて1.5倍ほど多く摂

取できて、乳酸菌が強い胃酸に影響されることもなく腸まで届くことから、腸内環境を整える効果があります。なかでも糠漬けは、糠に含まれるビタミンB1が漬物に移り、生の場合に較べてビタミンB1が4倍から10倍程度多くなるといわれています。

 梅干しは、強い酸味のクエン酸を多く含んでおり、疲れたときの元気の回復、整腸や食欲増進、おむすびに入れて防腐効果もあり、近頃では、熱中症の予防にも注目されています。梅は塩漬けにすると細胞の原形質が分離し、梅の実から水分が溶けだしますが、その途中で赤紫蘇の葉を加えて着色、夏の頃に日陰干しをして容器に入れ梅肉が柔らかくなったところで梅酢と分けます。

 梅干しを漬ける塩は、細かく柔らかでくっつきやすい、しっとりと湿った自然海塩か、にがり添加塩を選ぶのがポイントです。

 

□漬け床や調味料による漬物の分類

塩漬け……菜漬け、梅干し

糠漬け……たくあん漬け、糠みそ漬け

粕漬け……奈良漬け、ワサビ漬け

みそ漬け・しょうゆ漬け……福神漬け

こうじ漬け……こうじ漬け、べったら漬け

甘露漬け……甘露漬け、こがね漬け。

甘酢漬け……すぐき、あちゃら漬け。千枚漬け

酸味漬け……酢漬け、ピクルス

*参考資料文化科学省「五訂増補日本食品標準成分表」2005

 

 

魚料理と塩の作法

魚料理ができ上がるまでに、料理人は三度の塩を使うといいます。はじめに魚の鱗と内臓を取り除いて、軽く振り塩をして塩をすり込み、水洗いして魚のぬめりを取ります。そして下処理の塩洗いを終えたあと魚の水気や臭みを抜く「塩じめ」をします。

魚の表面が塩の浸透圧で適度に水分が抜けてたんぱく質が固まり、焦げ目がつきやすく、身崩れを防ぐことができるからです。最後の仕上げは、焼く前に魚に振り塩をして20分位おいてから焼くと表面がパリッとし、中がふっくらとした香ばしい匂いの焼魚に仕上がります。揚げ物には、付け塩をするとうま味が強調されます。

魚の調理・調味に際し、それぞれの場面で、しっとり湿った塩、サラサラとした塩、仕上げの塩など、塩の使い分けが魚料理を美味しくするコツです。

板前の世界では、「塩振り三年」といわれ、食材の下ごしらえ、調理、味付けに塩を上手に使う修業を重ねて、伝統的な塩の技と知識を身につけます。

 

振り塩

調理前の魚や肉に塩を振ることを「振り塩」といいます。魚や肉にまんべんなく塩を振るのに、手のひらに塩をのせ、魚の表面に均一に振りかけます。一尺(30センチ)もの高いところから振るというので尺塩ともいわれます。

おもに魚の塩焼きに使われる伝統的な使い方で、魚にまんべんなく塩を振ると魚の水分をひきだして身が引き締まり、生臭みが抜けます。焼いたときにすばやく表面が固まるので、うま味が逃げずに身崩れしにくくなるという効果があります。

魚では重さの2%から3%を目安にして調理の30分から時間前に振り塩をし、肉であれば重さの1%を目安に、調理の直前に均等に振り塩するのが、美味しく仕上がるコツです。振り塩には、薄塩、甘塩、強塩と使い分けられており、白身魚や切身には薄塩、油分の多い青魚や身の厚いものには強塩にするとちょうど良い具合の塩味になります。

 

立て塩

魚貝類を洗うときに塩水を使うと、うま味が逃げないで余分な水分を吸わなくなります。3%~4%の塩水で魚介類を洗うとき、軽く塩味を浸み込ませるときの塩の使い方を「立て塩」といいます。魚介類を立て塩することによって、均一にうっすらと塩味がつき歯触りも良くなります。塩味のアジやイワシなど

の干物づくりでは立て塩にしてから天日干しをします。野菜や果物の変色を防いで見た目を美しくする色止めにも用いられます。

 

べた塩

器にいっぱいの塩を盛り、そのなかに魚をおいて全体に塩をまぶしつける方法から「あべかわ塩」ともよばれています。適度に魚の身をひきしめ、味をよくする「塩じめ」のひとつです。 

白身の魚を酢でしめるときには、あらかじめ塩をして魚の身を締めておき、薄めた酢で塩を洗い流したあと「酢じめ」をすると魚臭さがとれて魚肉がしまります。

 

紙塩 

魚を水に濡らした和紙で包んで、その上から振り塩をすることを「紙塩」といいます。

濡れた和紙の水分で塩が溶け、食材に塩をしみ込ませるもので、魚に直接塩をあてないので、紙に浸みこんだ水分が均等にゆきわたり、上品でまろやかな塩焼に仕上がります。昔の塩は、にがりを多く含んだ差塩が多く、にがりの雑味を除くために一般的に用いられていたといわれています。 

 

化粧塩

鯛やあじ、鮎など、姿のまま塩焼きにするとき、美しく焼き上げるために、魚を焼く前に塩を振り、強火で焼くと塩がきれいに白く浮きできます。

これを「化粧塩」といい、塩をたっぷりつけて焼くので魚の皮が焦げにくく、皮がパリッと焼き上がり味も香りも良くなります。とくに焦げやすい魚のヒレや尾に厚めに塩で覆って、ヒレが崩れずにきれいな姿に焼きあげます。 

鮎の塩焼きは、まるで鮎が泳いでいるような姿に仕上げるために、頭の下から串を入れ、縫うようにして尾に刺して焼く「踊り串」にします。鮎の塩焼きは、焼きたての熱々をタデ酢で食べるのが鮎料理の定番です。

ちなみに、塩焼きを上手に食べる方法は、箸で皮と身を分け、頭を指で持って箸で身をはさんで引き分けると頭付きの骨が抜けます。化粧塩されたヒレを取り去り、頭と尾を両手で持って鮎の背肉からかぶりつくのも野趣のある楽しい食べ方です。

 

呼び塩

塩漬けした食材の塩分を抜くときに、真水ではなく薄い塩水に浸すと、真水に浸すよりも早く塩が抜け、うま味成分が溶けないで上手に塩抜きができます。

これは塩の浸透圧を利用したもので、塩漬けの塩分が塩水に移るため、塩が塩を呼ぶことから、この名がついています。

冷凍の鮪の切り身を解凍するのに、呼び塩にしてから冷蔵庫で自然解凍すると刺身の旨味と弾力が損なわれないで美味しく食べられる秘訣です。

 

魚の塩じめ・酢じめ・昆布じめ

魚は塩や酢にあてて、昆布の間に挟んでおくと浸透圧で脱水し、生臭さがとれて身がしまり、美味しくなります。塩じめ、酢じめ、昆布じめといわれる調理法です。

鰯や鯵などは三枚におろして塩じめにしてから酢でしめると、魚のたんぱく質が固まり、弾力性がでてきます。

酢じめは、塩じめした後に酢水で洗う調理法で、鰯や鯵などの身の柔らかな魚は、塩で軽くしめないと身が柔らかくなってしまうからです。またサバのように皮の寄生虫が心配な青魚は、酢でしめて殺菌します。

江戸前寿司の魚のネタには、塩じめ・酢じめ・昆布じめが多く、コハダは、酢じめで泥臭さを消し、キスや平目などの淡白な白身魚は、軽く塩をしてから昆布に挟み7~8時間おくと昆布のうま味が移った美味しい寿司ネタができ上がります。

塩じめ・酢じめは、本来、生魚の腐敗を防いで保存する知恵であったのです。

かつて朝廷に海の幸を献納した日本海の若狭湾は、御食(みけつ)国(くに)として、浜で獲れた魚を塩じめにして都に運ぶ途中でちょうどよい食べごろになります。

それから、昆布と酢でしめた鯖寿司の「バッテラ」が誕生します。鯖の塩漬けを京都に運んだ道は、いまも鯖街道とよばれています。

京料理の「若狭ぐじ」は、その上品な風味が珍重され、その赤みがかった姿かたちも美しく、八月の旬には、昆布じめ、西京漬け、蒸しものといろんな料理になって登場。若狭焼きの香ばしい焼魚の匂いと上品な美味しさは、都の人々が待ち焦がれた旬の味でした。

 

鯛の浜蒸し

鯛が一番うまいときは、四月から五月ごろ、産卵期の色鮮やかになる季節です。

桜がほころぶ季節になると、深い海から浅瀬に鯛の群れがやってきます。鯛は、色も姿も美しい魚で、その淡白な味が好まれ、昔から日本料理の主役に登場する魚です。新鮮な鯛はうろこ以外すべて食べられるといわれ、刺身、白焼、昆布じめ、頭の潮汁、肝の塩茹、さらに腸の塩辛にと、多様な魚料理を楽しむことができる魚です。

焼き魚をほぐした鯛の身は鯛飯、ちらし寿司など、さまざまな加工食品の食材として使われています。

昔は、この季節になると瀬戸内の明石では「明石鯛」、鳴門では「鳴門鯛」の浜むしが地元の風物詩となっています。いずれの土地も塩田が盛んなころで、釜からできあがった熱い塩をすくい取り、その上に鯛を並べて、その上からに熱い塩のせて蒸し焼きにしたもので、浜蒸し、塩蒸しとよばれています。

浜蒸しは、鯛の淡白な味にほどよい塩味が浸みこんで、上品な風味があります。

その始まりは、赤穂の中村の漁師が秀吉の朝鮮出兵の兵役を逃れるために、一計を案じて、自分が獲った魚を釜焚きの塩を携帯食として秀吉の宿舎へ持参したところ、これが部将たちに大変喜ばれ、秀吉に献上。これにより徴発を免じられたうえに、西下軍の携帯食になり、分限者になったという逸話があります。

それ以来、瀬戸内各地の塩田でも作るようになって、これが瀬戸内の名物となりましたが、明治の専売制度が施行されると、浜人が専売局の買い上げ前に浜蒸しに使用することが厳しく禁じられました。

日清戦争で大本営が広島に移ったときに、味野の塩業家、野崎家から鯛の浜蒸しを献上したところ、明治天皇は大変喜ばれて賞味されたといわれます。

 

3.食育の基本は塩

子供を蝕(むしば)む偏食

近年、教育現場で児童の肥満や骨折、アレルギー疾患が増えている背景には、フ

ァーストフードやスナック菓子や清涼飲料水、インスタント食品などに含まれている、化学調味料や食品添加物の過剰摂取が問題になっています。

栄養バランスが偏った食事は、情緒の安定にも大きく関わっており、栄養不足が原因で、すぐに”切れる”子供が増えているといわれています。また、若者のあいだにも、無理なダイエットや亜鉛の吸収を妨げる食品添加物の過剰摂取などの食生活の偏りが原因で、鉄欠乏による貧血、亜鉛欠乏による味覚障害が増えています

社会的な要因として、核家族化、女性の社会進出、子供の塾通いなど、子供を取り巻く生活環境が大きく変化し、家族そろって食卓を囲むことのない家庭や、朝食抜きの児童、ひとりで食事をする「個食」といった食の貧困化があります。

最近では一般家庭の朝食にご飯に味噌汁といった和食が減り、パン食が50%を占めているといわれ、政府も伝統の和食文化が失われていくことに大きな危機感を持っており、食育が社会的な問題として取り上げられています。

平成17年、こどもたちが健康的な食事を摂り、食物のほんとうの味を知る、自分で食を選ぶ知識・能力を身につけるための教育を義務付ける、世界的に例のない食育基本法が施行されました。食育の三つの柱に「安心・安全で健康な食生活をするための選択力」、「家庭で家族一緒に食事をする習慣」、「食糧問題や地球環境」を考える教育が柱になっており、栄養バランスだけを考えるだけではなく、こうした食を通して健康の自己管理の能力や人間関係、食文化の伝承、地球環境まで、複合的な教育をめざしています。

わが国の食料の自給率が40%にも満たないにもかかわらず、国内で破棄されている食べものの総量は、一年間に約2000万トンといわれています。レストランや家庭から出る残飯にはじまり、スーパーや小売店の売れ残りや賞味期限の切れた食品がゴミとして捨てられる量は、年間約60万トンもあり、「世界で一番食べ物を粗末にする国」と評されています。

 

添加物がつくる濃厚な味

現代の若者の味覚は、濃厚な味を美味しいと感じ、家庭の「おふくろの味」を美味しいと思わなくなっているという研究報告があります。カップラーメンやハンバーグ、パスタソースなど、ファースト・フードには、従来の化学調味料によってつくられる単調なうま味では飽き足らず、コクのある濃厚な味をつくるのに、アミノ酸化合物の「タンパク加水分解物」が添加されています。

成分表示では、調味料(アミノ酸等)と一括表示され、うま味調味料のタンパク加水分解物を添加すると食品のコクや風味を自在に作ることができるので、1980年代から日本の加工食品に欠かせない食品添加物となっています。

タンパク加水分解物は、たんぱく質を分解してつくられるアミノ酸で、その製造方法には、酵素を使ってたんぱく質を分解する方法と、塩酸を使ってたんぱく質を水の中で加水分解するふたつの方法があります。

酵素による発酵法には、微生物を調整する塩のちからが深く関与し、じっくりと時間がかかるため、コスト的な理由から大豆カス、魚粉、肉のゼラチンなどから塩酸分解法を使って、アミノ酸をつくるのが主流になっています。

はじめてタンパク加水分解物が味覚を崩壊すると警告したのは、食品添加物の商社から塩の世界に転身した経歴をもつ『食品の裏側』の著者、阿部司氏です。

化学的に生み出された添加物をいろいろ組み合わせれば、豚肉、鶏肉も実際には使っていないのに、豚骨スープもチキン味も出来てしまう、タンパク加水分解物という「魔法の粉」が使われているといいます。 

大量生産の加工食品のうま味は、塩、化学調味料、タンパク加水分解物の三つをベースとした人工的に造られた濃厚な味の食品が主流となっており、うま味調味料で作られた濃厚な味のファースト・フードをおいしいと感じ、淡泊で繊細な料理の味が分からなくなる、味覚障害を危惧しています。

最近のカップ緬やスナック菓子、レトルト食品の成分表示を見てみると、どれも○○エキスや酵母などが表記されていて、発酵による自然食品のイメージを創ろうとしているように思われます。酵母エキスは、培養した酵母を原料に、培養技術により開発した酵素分解法を駆使して製造したもので、酵母由来の旨味成分であるイノシン酸、グアニル酸を多く含み、コクと香りをつくりだすエキスです。

現代のファースト・フードには、うま味調味料として幅広く利用されており、これまで以上に、人工的に造られた濃厚な味に仕上げられています。

 現在ではスーパー、コンビニで売られる加工食品で添加物を使用していない食品をみつけるのは不可能です。最も添加物が少ないと思われるおにぎりでさえ、成分の書かれたラベルには、ごはんと具のほかに、調味料(アミノ酸等)、酸味剤、グリシン、カラメル色素、香料、酵素、重曹、トレハロース等々の添加物が列記されています。

むかし母親が作ってくれた、塩の効いた堅いおにぎりではなく、ごはん自体に食品添加物で味付けされた“おにぎりもどき”になっています。

 

味覚をとりもどす和食

食育という言葉のルーツは明治時代にさかのぼります。明治29年(1896)石塚左玄が『化学的食養長寿論』を著し、そのなかで「体育・智育・才育は即ち食育なり」と書かれたのが食育の発端となっています。明治の文明開化で肉や乳製品を摂る西洋式の食生活が流行、生活習慣病が蔓延している現代とよく似た食の環境にあって、炭水化物脂肪蛋白質を重視していた当時の西洋の栄養学に対し、塩や肉や魚を摂り過ぎれば、ナトリウム過剰となり心身の健康を害するとし、玄米菜食の食事療法で、多くの患者を治し、当時の上流階級に評判の高い医者でした。

日本にはむかしから食事をする前に「いただきます」といってから食べます。古い世代では子供の頃から、食事は生き物のいのちを“いただく”行為であり、米という字は、春に稲を植えて秋に収穫するまでに八十八の手間をかけることを表したもので、お米を作った人への感謝の気持ちをもつなど、日常生活の中に食育がありました。

今の子供たちは、スーパーに食品が溢れ、欲しいものが手に入る便利な時代に育っており、加工食品ができる過程を知らない子もいるとのこと。魚と言えば切り身、惣菜はトレイで売られ、カレー、ハンバーグは、電子レンジに入れれば数分でできあがります。この便利さが、野菜をつくる人、それを運ぶ人の顔が見えなくしていまっている原因になっていると思います。

最近では、自治体が公民館に地域の子供たちを集めて子供料理教室が各地で開かれ、地元の伝統料理にはじまり、和食の煮ものづくり、菜園で育てた野菜を料理するなど、料理の体験をとおして食を学ぶ機会をつくっています

大阪では、伝統の昆布だしをつくる料理教室を開いている学校もあり、味のない昆布だしに塩少々加えるだけで旨い味ができるのに驚く子供がいるといいます。

東京のあるイタリアン料理店のシェフは、子供たちに新鮮な野菜に自然海塩を振ったサラダを食べる食育を実践しています。シンプルな塩味だけで生野菜の美味しさを体験することで、しだいに食べ物の味覚が敏感になってくるといわれます。

ハンバーグ、カップ麺の濃厚な味覚に慣れた子供の舌が、こうした手作りの料理をこころがけていくことで本来の味覚を取り戻すことができるのは素晴らしいことです。

ちなみにサラダの語源は、塩を振って食べることを意味し、ラテン語で塩のSalに由来しており、フランス料理では、野菜のみのシンプルサラダは塩で食べるのが基本になっています。

*写真 Wikipediaフリー百科事典

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増田 幸右 について

1964-1968 武蔵野美術大学 グラフィックデザイン科卒業 1968-1994 広告代理店電通入社 クリエーティブ・ディレクター 2002-2004 立教大学大学院 修士課程 2003-2008 (株)GN21 経営コンサルタント 2007-2010 浦安図書館ボランティアBCU会員 2010-2014 企業ブランドアドバイザー 2006-2014 日本海水学会員
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